中華料理
30になって間もないころ台湾に一年ほど仕事に行っていたことがあります。台湾に行って最初に驚いたのは調味料の甘さでした。味噌も醤油も甘いんです、どんな風に甘いのかと言うと、味噌を例にとれば京都にある白味噌は甘口といわれますが、そのようなものではなく本当に甘い味がするんです。
味噌汁は台湾が嘗て日本領だった頃に根付いた物だと思いますが、今でもある味噌汁に使う味噌は台湾の甘い味噌なので、とても食べられたものではありません。これに豆板醤を大量に放り込んで掻き混ぜるとどうにか口に出来る味になりました。豆板醤入り味噌汁は日本に帰ってきてからも時々食べます。もちろん味噌は日本のものですが。
よく安いラーメン屋に行くと、お徳用のにんにくや豆板醤が容器にスプーンを突っ込んだまま好きなだけ客が入れらるように無造作においてあるでしょう。自分の味にはこだわらないから客が好きな味で食べてくれ、こういうお店、上品とはいえませんが私は好きですね。
マヨネーズに到っては卵に油と砂糖を入れただけのもので、台湾の人はこれを取れたての筍や海鮮をただ茹でたものにたっぷりつけて食べるのがご馳走の一つなんです。あるとき昼食に招待されてこれを出され『どうだ美味いだろう』としきりに進められたが、手は出ませんでした。あんなに新鮮な烏賊ならそのまま刺身にして食べたらもっと美味しいんだろうがなぁ、と思ったものです。
そう言えばビールも甘い。技術自体はドイツから入ってきており確りしたものなんですが。原料に米を使うところは日本のビールと同じですが、なぜか甘い。最初はこれから1年もこのビールを呑まにゃぁならんのか、と些か暗い気持ちになりました。でも良くしたもので台湾の料理にはこのビールが一番合うんですね。それに気がついてからは抵抗が無くなってきました。酒の種類はともかく地元の料理には地元でできた酒、これが万国共通の真理かもしれません
台湾は食生活が豊かで、朝はまず家では作らず、市場にその日の買出しに出かけたついでに屋台で朝飯を食べるんですね。私も通勤前に市場に寄っていました。実にいろいろなものを売っていて、豆腐は出来たてでまだ温かいし、えびは取れたてでまだぴんぴんと跳ねています。鳥は生きているのをその場でしめます。しめた後、洗濯機の脱水槽でぐるぐる回すと羽が剥きやすくなっているの二機がついたときは驚きました。
台湾での朝飯の一般的なものは、豆乳に油條、万頭、小龍包、餃子まで売っています。餃子は本来蒸すか茹でるかして食べ、残りを焼き餃子にするものだ、と言うことをご存知でしたか。だから残り物処理である焼餃子は夕餉の食卓には出ないんです。
衣食住は最低限の生活のための基本、中でも食は大切です。だから台湾に限らず、食べ物はたいていの国で安いわけですが。食費がやたらに高いのは日本ぐらいのものではないでしょうか。食料品の殆どを輸入しているシンガポールだって、日本資本のデパ地下で売っているカップ麺は60円程度のものでした。日本では生産国で有りながらその倍でしたが
昼は勿論屋台でそばや水餃子を(水餃子は当時1個2元;日本円で10円ぐらいだった!)食べて済ますことが圧倒的に多かったものです。
懐かしいですねぇ、乾麺や牛肉麺。乾麺は汁そばである湯麺に対し汁無しの和えそばのことです。特製のたれだったり、練りゴマにチャーシューの煮汁を少し加えただけのものなど店によって色々味が変わります。乾麺には必ずスープがつく。焼そばも同じです。日本ではなぜ付かないんでしょうか?水で流し込むよりずっと食べやすくなるのに。
牛肉麺は牛バラを醤油と唐辛子で煮込んだスープをかけた汁そば。台湾では唯一の醤油味。日本では殆どメニューにしている店は無いと思いますね。
そんなわけで、昼飯はもっぱら屋台でしたがたまにはちょいと高めの料理店に行って食べることもある。勤務先の近くにあった広東料理店では、本格的な料理を食べることが出来ました。
所謂広東風焼そば、茹で麺の両面を油で焼き付け、上に餡をかけたものです。もっとも具が更に本格的で、日本で見かけるようなおとなしいものでなく、モツがふんだんに載っています。切り方も大きいので日本人は具だけでもてあましてしうほどの量で、1人前で2人が丁度満腹になる量でした。
後半はもっぱら肉細切りあんかけ焼きそばばかりを食べていました。 同じ店で食べたのが蟹肉の土鍋煮込みそば。次回は作り方をご披露します。
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